技術コラム

航空機のアルミ製機体部品を製作する際のポイント

航空機の機体部品について

 航空機の機体部品は航空機の胴体や翼などの部位で、飛行機の構造体の多くを占めます。安全に飛行を行うためにも、軽さと強度が求められ、高強度アルミや炭素繊維、チタンなどの材質が使用されています。その中でも多くの割合を占めるのが高強度アルミで、高い引っ張り強さ、耐圧力性、耐疲労性などに優れた超々ジュラルミンと呼ばれる「7075」などのアルミ合金が使用されます。

 >>超々ジュラルミン(A7075)について

 

 機体部品の加工方法としては、大型5軸マシニングセンタが主に使用されます。

20,000回転/分を超える高速回転で高出力の主軸を使い、従来よりも短時間で複雑な形状の機体構造部品を削り出していくため、効率の良い加工方法であると言えます。

 

 

大型のアルミ部品を製作する際のポイント

 機体部品のような大型のアルミ部品を製作する上でのポイントとしては、最適な加工方法を選択しなければいけないということが挙げられます。

大型の金属部品の加工を製作する際は、ダイカスト等の鋳造が用いられることが、一般的です。しかし、航空機の機体ほどの大型部品を製作する際には、鋳造は適しておりません。これは、機体部品ほどの大型の部品であれば、鋳造の加工不良の1つである穴状欠陥(別名:巣)が発生しやすいためです。

 また鋳造は溶解したアルミを型に流し込み、収縮させて成形するため、大型部品になるほど加工精度が低下します。そのため精度が必要な部分は機械加工での追加工が必要とされます。

したがって、航空機の部品製作に必要な高精度と高強度を実現できない可能性があります。

 

 では、航空機の大型アルミ部品を製造するには、どのような加工方法が適しているかというと、「巣」の欠陥の無い「ブロック材」から大型5軸マシニングセンタを使用して、切削加工を行うことが適していると言えます。

 

 

大型5軸マシニングセンタを使用するメリット

大型5軸マシニングセンタを使用する具体的なメリットについて説明します。

 

 大型5軸マシニングセンタを使用する、一番のメリットとしては圧倒的な生産性が挙げられます。具体的には、製作工数の短縮、初期費用低減が可能であるということです。

製作工数の短縮の理由としては、小型部品の組み合わせを必要とせず、一度に大型部品を製作できるためです。

加えて、小型部品を組み合わせることによるデメリットである、複数のつなぎ目が生成されてしまうことによる強度の低下も防ぐことが可能です。

 

 初期費用低減が可能な理由としては、鋳造のように金型を必要としないためです。前述の通り、大型5軸加工機はブロック材を削りだすことで加工を行うため、金型の設計・製作によるコストが発生しません。

 

これら2つの理由から圧倒的な生産性を実現可能としています。

 

 圧倒的な生産性以外にも、横型マシニングセンタであれば切粉の巻き込みによる精度不良を抑制することが可能であるというメリットもあります。

 

当社では、

・最大加工サイズ:3000×1500×500

・最大ストローク:3000×1500×1000

の性能を持つアルミ専用高速5軸マシニングセンタであるMAG3と、独自の加工技術を組み合わせることにより、 当社は様々な業界における大型アルミ部品製作を可能としております。

 

MAG3の性能等の詳細については、下記動画で分かりやすく解説しております。

是非、ご覧ください!

 

 

大型アルミ部品の製作なら佐渡精密まで!

 今回は航空機のアルミ製機体部品を製作する際のポイントについて説明しました。機体部品のような大型アルミ部品を製作するためには、必要な精度や強度を実現し、効率良く加工を行うためにも、大型5軸加工機が必要となります。

 

 精密金属加工VA/VE技術ナビを運営する佐渡精密株式会社は、アルミ専用の大型5軸加工機である「MAG3」を所有するのみならず、1970年の創業以来、切削加工を中心に、表面処理、熱処理・研削・組立などを加えた精密金属加工のプロフェッショナルとして、様々な精密金属加工を行ってきました。そのお取引先は、医療機器、半導体製造装置、航空機などの、高度な技術レベルを求められる業界のお客様が多く、皆様には大変、ご満足いただいたとの声をいただいております。

 

 近年では、長年蓄積してきた精密金属加工や部品組立の知識を活用して、多くのお客様に品質を維持しながらコストダウンを行うVA/VEのご提案も行っております。

 

 航空機の部品製作やコストダウンにお困りの方は、精密金属加工VA/VE技術ナビまでお問い合わせください!

 

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